KAWASE BIIKI

ロシアの外貨準備と対外債務

ロシアルーブルは昨年末、一時1ドル=85ルーブルと過去最安値をつけ、主要国で最も弱い通貨となりました。その後1ドル=60ドル程度まで値を戻しましたが、年明けも不安定な動きを見せており、注意が必要な状態が続いております。そこで今回はこのロシアルーブルの動きにも直結するロシアの外貨準備についてです。

ロシアの外貨準備は、2013年末で5090億ドル(およそ60兆円)で世界5位の規模でした。これが2014年12月までに、3880億ドルとおよそ24%減少しております。ひとつの原因としましては、ロシアルーブルを支えるための為替介入資金への支出ですが、もうひとつの原因は、民間部門の対外債務解消のための事業資金支援への支出です。
ロシアは長い間、経常収支の黒字が続いており、公的部門における債務は少なく、対外債務も問題のない水準です。しかし問題は民間部門で、民間部門には6000億ドルにものぼる対外債務があると試算されおります。民間企業なので、本来は公的債務と切り離して考えるべきですが、なかなかそうは行きません。民間部門で債務が大きいのは、エネルギーや鉱業といったロシア経済の基盤を支える企業で、実は半官半民の企業です。ロシア企業は制裁により欧米の銀行からは新たな借り換えができないため、ロシア政府がこうした企業のデフォルトは避け、事業を継続させるには、外貨準備を使用した支援が必要となっており、そしてこの支援に、毎月およそ100億ドル程度の外貨が必要となっているということです。

ロシア政府が、こうした企業を支援するにはおよそ3300億ドルが必要となるそうですので、ルーブル高を支える資金は残りわずかです。また、外貨準備の一部はもともと年金用の準備資金であるので使用できないといった話があったり、景気対応策として外貨準備を使いたいといった、政府からの要望が出ているといった話もあるので、実際に使える額は大幅に少ないようです。

今年中に外貨準備の(事実上の)枯渇が問題になる可能性は高く、そのときにロシアルーブルはまた大きく下落する可能性は高そうです。そしてロシア経済はさらに苦境に立たされることになりそうです。

データ等参考
「世界経済のネタ帳」
「今日の覚書、集めてみました」


| コラム | 12:37 | comments(0) | - |
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