KAWASE BIIKI

サウジアラビアリヤルという怪物

新年早々大きめなリスクオフ相場、円独歩高の展開です。
そんな中、早朝に入ってきたニュースといえば、サウジアラビアがイランとの関係を断裂するというの話です。中東情勢は昨年も今年も注目の的ですが、サウジアラビアは為替の市場でも注目を集めそうです。

原油価格の低迷を受け、産油国各国は、厳しい経済状況です、その中でも、サウジアラビアはGDPの4割をエネルギー資源関連が占めるなど、資源依存の大きい国として知られています。サウジアラビアの通貨はリヤルといい、他の中東産油国と同様、厳格なドルペッグ制をとっています。原油価格下落の影響で、交易条件が悪化しているにもかかわらず、ドルペッグ制のため、アメリカドルと共に上昇してしまい、相当な割高水準です。私見ですが、3割から5割ほど割高だと思われます。このままドルペッグ制を続けるには、(外貨準備を使用した)大量のドル売りが継続的に必要になり、ドルペッグの持続が疑われています。

同じ産油国の、アゼルバイジャンでは、通貨マナトのドルペッグ制の維持が不可能になり、変動相場制へ移行、対ドルで40%近い下落になっています。こうしたことが、今後サウジアラビアを中心に、起きる可能性があります。アゼルバイジャンの経済規模は小さいため、世界経済や、為替市場にはほとんど影響はなかったと思われますが、中東各国が雪崩を打つように、変動相場制への以降を余儀なくされるとなれば、影響は小さくないと思われます。状況はアジア通貨危機のときに似ているのかもしれません。

サウジアラビアは外貨準備が豊富にあり、すぐに変動相場制への切り替えは必要のない状態です。為替当局も、(資本流出を抑えるためにも)変動相場制への移行を否定しています。しかし、政府予算が足りない状態で、外国株式などの売却を進めているようです。政府は石油価格が50ドル以下でも持続可能な政府予算を計画しているとされています。その場合、国民への福祉が減少するため、国民の不満が高まりそうです。アラブの春の騒乱の余波を、予算のばら撒きによって抑えてきたとも言われているだけに、今後内政での混乱も考えられ、新たなリスク要因になりそうです。

原油価格の下落は今年中にクライマックスを迎えそうですが、上値は重く、価格の低迷は続くと予想されています。今まで見えていなかったリスクが、ぞろぞろと沸いてくるように思えます。本日の為替もそうですが、リスクオフ相場になった場合の対策が、重要になりそうです。


| コラム | 21:47 | comments(0) | - |
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