KAWASE BIIKI

スイス経済とフラン高

一月にユーロに対しての無制限為替介入を終わらせたスイスですが、実質実効レートのが114.8(1994年〜の平均が100)と高い値になっております。あれから4ヶ月が経ちましたが、スイス経済はどうなっているのでしょうか。


主な経済統計
?消費者物価指数CPI?4月?前年同月比?−0.2%
?生産者輸入価格?4月?前月比?−2.1%
?実質売上高?3月?前年同月比?−2.8%
?失業率?4月?3.3%
?貿易収支?3月?25.2億フラン


やはり物価関連の指標は弱めの値になっております。資源価格下落の影響もあるのかもしれませんが、低い水準です。失業率、貿易収支は特に大きな変化はなく、ここ数年のスイスの通常値です。一点気になるのが、実質売上高です、通貨高局面では、物価下落のため、実質の小売の売り上げは、伸びるかなと思いましたが、落ち込んでおります。下落幅もなかなか大きいものです。通貨高のため、外国人観光客によインバウンド消費が減っているのかもしれません。

GDP成長率が来週発表ため、なんとも言いがたいですが、全体的に見て、まあまあの経済状態といってよいと思います。スイスフラン高の影響は今のところ軽微のようです。


スイス中央銀行の政策金利はー1.25%と非常に低い世界最低水準で、実質金利を考えてもマイナス水準です。これが通貨に影響を与えて、もう少し位はフラン安になってもいい感じはしますが、どうでしょうか。
ヨーロッパでは、またすぐにギリシャ問題が本格化してくることが予想され、ヨーロッパの通貨は不安定になる時期です。危機に強いフランは上昇するのか、ユーロにつられて下落するのか、注目していきたいと思います。



| コラム | 01:40 | comments(0) | - |

中国製造業停滞の理由 まとめ

風雲急を告げる中国経済ですが、ここのところ為替市場での注目度、今年のテーマとしての存在感が増してきていると感じられます。
そこで、いまさらですが、中国の経済停滞の理由を製造業を基準にまとめてみました。
中国経済が今後どうなるかを考える上で参考になればと思います。

【中国製造業停滞の理由】
1、企業物価の下落
3月生産者物価指数(PPI)は前年比 -4.6%と非常に大きく下落しております。下落は、12年3月から37ヶ月連続です。
リーマンショック以降、中国国内では設備投資が活発になり、過剰生産設備のもと、需要に対して供給過多の状態が常態化しており、物価を下落させております。またここ数年は資源価格、商品価格が下落しており、生産者物価の下落に追い討ちをかけております。

2、人件費の上昇
北京市の最低賃金の推移ですが、
 2013 1400元/月
 2014 1560元/月
 2015 1720元/月
と毎年10%を超えるペースで上昇しております。他の都市も基準は違えど、上昇率は10%程度となっております。
今年は経済低迷を受け、上昇幅を抑えるかもしれないと考えておりましたが、そんなことはありませんでした。
国民からの期待といいますか、国民からの支持を考えると変えづらいのかもしれません。

3、人民元の上昇
人民元の3月の実質実効レートは139.3と非常に高い値で、過去最高値となっております。この水準は他の通貨ではなかなかみられない値で。操作された通貨なので仕方が無いのかもしれませんが、本当に相当高い水準です。
人民元は2005年から2008年までにまでに対米ドルで約30%上昇させた後、2010年からさらに10%上昇してきました。その後は、米ドルに対してやや幅の持ったペッグ制をとっております。FRBのテーパリング開始後は、米ドルが他の主要通貨に対して、大きく上昇しているため、結果的に人民元も大きく上昇することとなっております。

4、高い貸出金利
中国人民銀行の政策金利は5.1%となっております。
昨年秋から3度の利下げを行っておりますが、物価に対しては、まだ高い水準にあります。
また、市中の銀行からの企業への貸出金利は、貸し倒れリスクの増加の懸念もあり、下がっていないとのことです。


以上、主だった原因を並べてみましたが、他にも環境コストの増加や、東南アジア、南アジアといった、人件費の低いライバルの登場、主な輸出先だった、ヨーロッパ経済の停滞など、考えられる理由を並べるのには、苦労しない状態となっております。

売り値は下がり、賃金は上昇、資金調達は難しく、相場環境は悪化、これでは製造業では、利益が出ない構造です。

中国政府も、内需を見ながらぎりぎりの政策を進めているように感じます。李克強氏以下エリート経済官僚たちが、不動産バブル退治をはじめ、この経済状況に対応するため、非常に努力をなされているようには見えます。しかし、多額の不良債権や、地方政府の債務額等々を考えると、経済全体で大きな調整が必要となるのは避けられない状況のようです。



参考にさせていただいたブログ


| コラム | 00:30 | comments(0) | - |

難しい相場 資金の流れ先は

ゴールデンウィークが明けて一週間が過ぎましたが、難しいい相場、方向感の無い相場が続いております。

アメリカでは、雇用統計はやや持ち直しましたが、物価関連を中心に、弱めの経済指標が並んでおり、利上げの時期が大きく後ろ倒しになる懸念が広がっています。
ヨーロッパでも、ギリシャ問題が先送り、落ち着かない状態が続きます。
コモディティは、金、銀、白金 は小動き、WTI原油も先月までの大きな上昇に一服感が出ているようです。唯一鉄鉱石価格が底値をつけ、反発局面にあるようです。ETFやCFDでも扱っているのは見ない商品のため、直接取引はできないと思いますが、産出国である、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国関連の商品に影響が出そうです。

為替についても全体的には、方向間が弱い展開です、選挙があったイギリスポンド(GBP)が明確に上昇したほかは、小動きといっていいのではないでしょうか。

では、こういったボラティリティが少ない相場では。何を買えばよいのかなと見ていたのですが、新興国通貨が値上がりしていました。アメリカの利上げ観測の後退の影響もあるのかと思いますが、先月まで弱かったトルコリラ、ブラジルレアルの他、南アフリカランド、メキシコペソまで、大幅にではないですが、数%づつ広範囲に上げっているようです。
値動きが少ないときは、利ざやで稼ぐという典型的な動きです、なるほど賢い。機関投資家なのか、個人とレーダーの動きなのかは分かりませんが、合理的な判断だと思いました。

とはいうものの、このような低ボラティリティも今月中までかなとも思います。来月になればまたギリシャ問題が動くことになる予定ですのでユーロ圏の動きに対して準備してゆく必要がありそうです。



| コラム | 23:40 | comments(0) | - |

ニュージーランド経済 転換点か

ニュージーランド経済が転換点を迎えているかもしれません。
先日発表された失業率が、5.8%と2期連続の悪化なりました。

ニュージーランドといえば、数年来、経済の好調が伝わっており、昨年には他の先進国に先駆けて利上げをしておりました。国債の格付けが高いこともあり、欧州や日本を中心に、世界中から金利を期待した投資資金が集まっていました。通貨ニュージーランドドルは、大幅に上昇、実質実効ベースで過去最高値付近で推移していました。

ニュージーランドの輸出産業は、乳製品や食肉などの畜産業や材木などの一次産業が中心ですが。これら一次産品の価格は低迷しているようです。また、経済関係が深い、オーストラリアや中国の経済低迷も、輸出に悪影響を及ぼしてしていると考えられます。また好調だった内需産業も、クライストチャーチ地震の復興が一段落したことや、金利高の影響を受けて、一時ほどの勢いは無いようです。

市場では、ニュージーランド中央銀行にる利下げを織り込み始めています。
ロイターの記事などによると、年後半に、0.25%の幅で二回ほど予想されるとのことです。ただ市場の予想も割れており、利下げが行われないと予想するアナリストも大勢いるようです。これらの観測によって、ニュージーランドドルは足元下落基調、対米ドルで、年初来の安値に近づいています。

個人的にも、ニュージーランドドルは大幅な下落を予想します。日本人の個人投資家に特に人気の通貨ですから、日本のFX市場にも影響が大きそうです。年後半といえば米FRBによる利上げの予想もあります。新興各国だけではなく、こうした先進資源国も大幅な調整が必要になるのかもしれません。



| コラム | 10:00 | comments(2) | - |

中国経済停滞も人民元の切り下げは最終手段か

中国人民銀行が政策金利の引き下げを発表しました。
政策金利 5.35% → 5.15%

最近公表される貿易統計、物価指標などが弱かったため、引き下げは市場に予想されておりました。
個人的には、引き下げは予想通りですが、時期が想定より早かったなと思います。中国政府の焦りといいますが、市場に対する警戒感がうかがえます。目標としている年7%の成長が難しくなっていると判断したのだと思います。


経済成長減速の理由として、輸出産業の停滞が指摘されております。
停滞の原因は、人件費高と人民元高です。最低賃金が、年10%程度の割合で上昇しており、低付加価値な製造業の競争力を奪っております。また、人民元(CHY)は、アメリカドルと弱いペッグ制をとっているため、アメリカの利上げ観測、日本、欧州の量的緩和、オセアニアや新興各国の利下げの影響などを受け、割高になっています。


中国の政策金利や、預金準備率はまだ高い値で引き下げの余地は大きく、今後も段階的な引き下げが想定されています。その他の金融政策として、中央銀行による地方債務の買取や、不良債権の買取の可能性も報道されましたが、現在のところ、具体的な予定はなさそうです。また人民元に関しても、李克強主首相が引き下げる予定は無いと発言しており、しばらくは、弱いドルペッグ制が続きそうです。人民元の切り下げは、金融政策としては最終手段になりそうです。

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| コラム | 21:00 | comments(0) | - |

中国の金融緩和 次の一手は

中国経済が不透明感を増すなか、中国政府の金融政策に注目が集まっております。

中国人民銀行は、政策金利を引き下げと銀行の準備金率を引き下げており、徐々に緩和的な政策に切り替えております。また不動産市場の下落に対応し、不動産融資に対する規制も緩め始めております。
一方、株式市場は非常に堅調で、上海総合指数は、日々年初来の最高値を更新し続けております。これは昨年まで不動産価格を押し上げていた、シャドーバンキングの資金が、株式市場へ動いてきたためと推測されており、投機的な色合いが強まっている可能性があります。共産党中央政府や人民銀行もこのような投機的な動きを深く警戒、注視しているようです。

このように不安定さを見せる中国経済ですが、これからの中国の金融政策はどうなるでしょうか。
もちろん基本的には、今までと変わらないと思われます。景気が減速して場合は、政策金利や準備預金比率を引き下げるというものになるでしょう。
ただ、気になるニュースが流れてきました。人民銀行が、非伝統的な金融政策を検討しているというものです。ソースが一箇所だったため噂だけかもしれませんが、大変興味深いです。
一般的に非伝統的な金融政策といえば、日銀やFRBが行う、量的緩和(国債等の買い入れ)を指すと考えますが、中国ではどうでしょうか。国債の買い入れでは効果が少ない(金利を下げたいなら政策金利を下げたほうが効果的)ので、何か特別なことを考えているのかもしれません。デフォルトが心配される地方歳の救出や、銀行の不良債権の直接買取、人民元の自由化、資本移動の自由化、貸出金利の上限撤廃などが考えられますが、どうでしょうか。

中国経済が転換期を迎えているのは明白です。其のときが何時になるのか、どのような形になるのか、世界中が注目しています。これからなにやら大相場になりそうな気配は感じますが、まずは世界中の猛者たちとの情報戦、厳しい争いになりそうです。



| コラム | 20:30 | comments(0) | - |

日銀とテーパリング

ロイターの外国為替フォーラムのコラムで、日銀のテーパリングについてのものがありました。
筆者はJPモルガンの佐々木融氏、元日銀マンで、専門は為替全般、日銀の政策に関しては、ややタカ派の意見を持っている印象があります。
記事リンク

内容は、先日の日銀決定会合にて、木内審議議員が日銀による国債の購入額を減らす提案をして、否決されたというもの。

個人的には、もちろん近いうちにテーパリングが開始されるとは思っていません。どちらかというと、緩和の長期継続&追加緩和の可能性のほうが圧倒的にに高いと予想しております。さらに現在の日銀は、実質的には日本政府から多少なりとも束縛されているため、現在の世論状況では、緩和方向以外の決定はできないと思われます。ただ、こういったテーパリングの提案が実際にあった、という事実は大変興味深いものですし、何かが変わる兆しを感じました。

昨日今日は浜田氏の発言もあり、円に対する相場環境が不透明になっています。しかし短期的な動きに惑わされず、大きな流れを読む時期がきているのかもしれません。


| コラム | 00:11 | comments(0) | - |
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